
高血圧症
高血圧症
高血圧症とは、医療機関の診察室で測定した血圧が140/90mmHg以上、自宅で測定した血圧が135/85mmHgを超える状態を指します。高血圧は血圧が高い状態を指し、高血圧症は高血圧が長期間続く状態をいいます。日本では日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン」が用いられ、年齢や病気により目標血圧が異なります。特に糖尿病の患者さんにとって高血圧は、心筋梗塞や脳卒中、腎障害といった合併症リスクを高めるため、より厳格な血圧管理が必要となります。
高血圧は原因によって「本態性高血圧」と「二次性高血圧」に分類されます。
高血圧自体に特有の症状はほとんどありません。そのため、自覚症状がないまま病気が進行してしまい、脳卒中や心筋梗塞、腎障害などの深刻な合併症を引き起こすことがあります。血圧が著しく高くなった場合には、頭痛や視力低下、吐き気を伴うことがあります。
以下のような体調の変化や生活習慣に心当たりがある方は、知らないうちに血圧が高くなっている可能性があります。高血圧は自覚症状が乏しく、気づかないうちに合併症が進行することもあるため、早めの対応が重要です。一度血圧を測定し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
血圧の測定は診察室で行う「診察室血圧」と、家庭や日常生活で測定する「診察室外血圧」の二つがあります。診察室と家庭での測定値に大きな差がある場合、家庭血圧を優先して判断します。また、以下の特徴がみられる場合、二次性高血圧の可能性を調べる検査を行います。
主な検査には、尿検査、血液検査(ホルモン、クレアチニン、電解質、血糖値など)、腹部の超音波検査やCT検査があります。
糖尿病を併発している高血圧の治療は、特に合併症の予防を目的としています。生活習慣の改善と薬物療法が治療の中心になります。
※糖尿病の方は果物の摂取に注意が必要です。果物はビタミンや食物繊維など健康に良い栄養素を含みますが、糖質(果糖)も多く含まれているため、食べすぎると血糖値を急上昇させる可能性があります。特にバナナやぶどう、柿など糖度の高い果物は1回の摂取量に気を配る必要があります。医師や管理栄養士の指導のもと、種類や量、タイミングを工夫して適切に摂取しましょう。
二次性高血圧の場合は、その原因疾患の治療が必要です。例えば原発性アルドステロン症などの内分泌疾患の場合は手術治療で改善が期待できます。また腎血管性高血圧症の場合は、カテーテル治療で腎動脈の狭窄を改善することで血圧が低下することもあります。
糖尿病患者さんにおける高血圧の管理は、合併症予防のために非常に重要です。定期的な血圧測定を習慣づけ、少しでも異常を感じたり、健康診断で指摘されたりした場合には、すぐに専門医にご相談ください。
当院では、糖尿病と高血圧をトータルで管理し、患者さん一人ひとりの生活スタイルや状態に合わせた最適な治療計画をご提案いたします。健康寿命を伸ばすため、ぜひお気軽にご相談ください。